月明かりのノート

人生の振り返りや読書感想など思考整理のために言語化したものをアウトプットしています

毎月赤字で借金があった私が4年で資産1000万を超えた話

序文

最近会社の同僚とお金の話をすることがあり、毎月赤字で困っているとのことだったので、浪費癖があった私がどのようにして資産形成をしていけているかを話したことがあった。折角なのでより詳細に振り返りながら、ブログに残そうと思う。たかが一般人の私の資産くらい公開したところで何も問題ないので、赤裸々に公開する。

第一章 -1

どん底

4年前の2020年1月9日(当時24歳)、私の銀行口座の残高は 1,259円 だった。

事業をやるための資金も底をつき2019年12月から会社員になった。身の丈以上の高価な物をいくつもクレジットカードの分割支払いで購入してしまう浪費癖のせいで、積み上がった返済だけで毎月10万以上。そして見栄を張って住んだ家の家賃は16万円。12月の給料約54万円が1月に振り込まれるが、返済と生活費で赤字。しょうがないのでカードローンで借金をして食い繋ぐ日々。そして、3月にカードローンが限界の50万円に達し、いよいよ首が回らなくなった。私の物語はここから始まる。

  • 収入:月54万円(額面)
  • 家賃:月16万円
  • 借金:100万円以上(カードローン+クレジットカード分割)返済月10万円以上
  • その他:奨学金の返済月1.5万円

第二章 -1から0そして+1へ

人生の転機

そんな経済的に失敗だからけの私だったが、一番お金がなかった1月に現在の妻と交際を始めた。知り合って1ヶ月足らずで交際スタート。愛嬌があって可愛らしく、価値観が合った。すぐに私はこの子と結婚するのだろうと思うようになり、お金との向き合い方を改めようと決心した。

彼女とのデートでは私がご馳走するが、私一人の生活では無駄な支出をしなくなった。なぜなら、彼女という存在が私の心を癒し満たしてくれるので、過剰に消費活動をして承認欲求を満たそうとしたり寂しさを紛らわす必要がなくなったからだ。当時はわかっていたわけではないが、振り返ると今ではそういうことだったと思っている。

交際から3ヶ月後に婚約した。貯金ゼロで借金の返済で首が回っていない状況であることは伝えたのは、やや記憶が曖昧だが婚約した後すぐのことだったと思う。正直に全てを話したが、彼女は私を捨てなかった。

借金完済

まず借金を返済するために月の収支をプラスにする必要があったが、家賃や返済は固定費としてどうしようもないので、変動費から無駄を削った。食費は、外食とUber Eatsをやめた。Amazonでの衝動買いもやめた。幸い会社員の収入は少なくなかったので、十分な生活をしつつ黒字に出来た。

余ったお金を全額カードローンの返済に充てて、3月から6月の3ヶ月で50万円のカードローンを完済した。

クレジットカードの分割払いは、前倒しにできる分は前倒しにし、出来ないものはコツコツと返済し、カードローン完済後の1年3ヶ月後(2021年9月頃)に全ての分割払いを完済した。

引越し

借金を返すために収支を見直す中で、食費や衣類などの変動費は今日明日ですぐに支出をコントロールできるが、そういった変動費をいくら下げても、固定費が支出を底上げしているのが凄くもどかしかった。

借金の返済額は少しずつ完済していけば減ってくれるが、家賃はどうやっても固定でかかってしまう。当時広めのワンルームだったが、同棲生活をする中でやはり壁を隔てて独り時間が欲しい時はあるので、固定費を下げることと広い部屋を求めて、引っ越すことにした。

都内一等地のワンルーム高級マンションから、都内住宅地の1LDKマンションへ。家賃は16万から13万へ。(その2年後の引越しでは岐阜市2LDKの物件で家賃8万に減った)

引越し費用の予算を50万円として、家賃の差額を考慮すると、2年間で22万円の黒字を見込めて、広い部屋が手に入った。

毎月の家賃も13万円で3万円の余裕が生まれた。そして副業の収入もあり貯金残高が40万円、80万円、100万円と増えていく。

第三章 +1から+10へ

お金の勉強

収支がマイナスからプラスへ転じて、雪だるまの芯ができ始めたが、これからさらに資産を増やしていくために投資の勉強をしようと思って投資系の本をたくさん買って読み漁った。その中で、2つの良書と出会った。

  1. 『私の財産告白』本多静六
  2. 『バビロン大富豪の教え』

この2冊から得た教えは今でも私の核になっているので、紹介したい。正直なところ、この2冊を紹介するために本記事を書いている。

『私の財産告白』から得た教え

貯金の門

  • 「貯金の門」をくぐらずに巨富には至り得ない。
  • 貯金とアルバイトで雪だるまの芯を作る。
  • 『四分の一貯金』
    • 収入の四分の一を天引き貯金すること。
    • 臨時収入は全て貯金すること。
    • 金利子は、四分の一を貯金すること。
  • 『副業』
    • 勤労生活者が金を作るには、単なる消費面の節約といった、消極策ばかりでは十分ではない。
    • 本業に差し支えない限り、否本職の足しになり、勉強になる事柄を選んで、本職以外のアルバイトに勤めること。

致富の本街道

  • 「投機」「思惑」ではない。堅実な「投資」でなければならない。
  • 投資成功には特に焦らず、怠らず、「時節を待つ」ことが必要である。
  • 『本多式株式投資法』
    • 「二割利食い、十割益半分手放し」
      • 買値の二割の利益が出たら利確をする。
      • 倍以上に高騰した場合は、半分を打って投資の元金を確保する。

『バビロン大富豪の教え』から得た教え

黄金に愛される7つの道具

  1. 収入の十分の一を貯金せよ
  2. 欲望に優先順位をつけよ
  3. 貯えた金に働かせよ
  4. 危険や天敵から金を堅守せよ
  5. より良きところに住め
  6. 今日から未来の生活に備えよ
  7. 自分こそを最大の資本とせよ

「お金」と「幸せ」を生み出す5つの黄金法則

  1. 家族と自分の将来のために、収入の十分の一以上を蓄える者の元には、黄金は自らを膨らませながら、喜んでやってくるだろう。
  2. 黄金に稼げる勤め先を見つけてやり、持ち主が群れを膨大を増やす羊飼いのように賢明ならば、黄金は懸命に働くことだろう。
  3. 黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳を傾ける持ち主からは、黄金が離れることはないだろう。
  4. 自分が理解していない商い、或いは、黄金の防衛に秀でた者が否定する商いに投資してしまう持ち主からは黄金は離れていくだろう。
  5. 非現実的な利益を出そうとしたり、謀略家の甘い誘惑の言葉にのったり、己の未熟な経験を盲信したりする者からは、黄金は逃げることになるだろう。

「お金持ち」はどんな生活をしているか?

「お金持ち」=豪邸に暮らし、高級車を所有。海外旅行に行っては、ビーチで寝そべり、ゴルフ三昧。ではない。トマス・J・スタンリーの著書『The Millionaire Mind』のよれば、アメリカの総資産100万ドル以上の富裕層に大規模調査をかけた結果、実際のお金持ちは、フェラーリ保有率はとても少なく、靴や家具を修理して使い、中古物件に住み、家族との時間を大切にする。という結果が得られたそう。(お金持ち=富裕層=総資産100万ドル以上)

積立投資

固定費が減り、無駄遣いをやめたら口座にすぐに死なない程度の貯金が出来た。生活レベルは足りていたが、少しの余力を感じると再び生活レベルを上げたり衝動買いしかねないと思ったので、2冊に書かれた通り天引き貯金をやることにした。天引き貯金なら、天引きしたお金は無いものとして支出を考えることができるので、無駄遣いを避けることができる。

会社に401kの制度があったので、入社時から401kに月5.5万円を拠出していたが、1年間やってみて30%増えたことを経験した。そこで、天引き先として2020年12月から旧積立NISAを満額やることにした。

余談だが、2024年6月現在、それぞれのパフォーマンスは以下の通り。

  • 401k:年数4.5年、累計拠出額243万円、評価額420万円、損益+176万円(+72.4%)
  • 積立NISA:年数3.5年、累計拠出額174万円、評価額317万円、損益+143万円(+82.4%)

約4年で300万円もお金が生み出してくれたことになる。毎月8.8万円を無心で積み立てて放置した結果、この二つの評価額を足すだけで700万円越えだ。ほぼタイトル回収だ。

おそらく今多くの人が含み益を抱えていて、私は運が良く上昇相場に乗れただけだと思っている。

副業

一時期、妻が体調を崩し仕事を辞めた時期があった。その時は、私の収入だけだと生活は回るが雪だるまの芯が思うように大きくならなかったので、稼ぎ重視で短期で副業をやることにした。月20万円から40万円程度の副業収入が数ヶ月間あり、妻の穴を埋めるに十分だった。

本多静六の教えの通り、副業を臨時収入と捉え、全額貯蓄した。支出は変わらず、収入が1.5倍以上になったので、ものすごいスピードで貯金が増えた。毎月マネーフォワードの資産グラフを見るのが楽しい時期だった。

妻と遊びに行く時間で副業に充てたのであまり遊びにいくことができなかったが、カフェで仕事しながらデートしたり、工夫して二人の時間を楽しむことはできた。

片方が辛い時はもう片方が補う。そうやってお互いに支え合いながら生きていくことはこういうことか、と思ったりした。

『私の財産告白』で書かれていたような、本業の足しになり勉強になるような副業ではなかったが、雪だるまの芯を大きくするために意図的に収入を増やす選択肢をとり、狙い通りの結果となったのでよかった。

稼ぎのための副業は、時間の切り売りであると実感したので、金銭に困窮していない限りは、次にやる時は本業の幅を広げるような副業をやろうと思う。

5年間の資産負債推移グラフ

テキストだけだとイメージしにくいと思うので、過去5年間の資産負債グラフとライフイベントを重ねてみる。他人の資産をこのようにして見るとかなりリアリティが出てくる。

資産推移グラフ
負債推移グラフ

  • 積立口座が資産額を下支えしてくれている。
  • 初期の副業によって預金増加の初速がついている。
  • 引越し直後は一時的に預金が減るが、固定費が減った分、支出が安定し始めると増加ペースは早くなる。
  • 初期は預金の割合が多いが、徐々に株式の割合の方が多くなる

教訓

赤字で借金がある状態から、黒字化し資産1000万円まで増やした4年間は、私自身にとってお金で初めての成功体験となった。この経験から得られた教訓を振り返ってみる。

教訓1

浪費は競争意識からくる承認欲求を満たそうとする行為であり、どんなに金銭を投じてもそれでは一生心を満たせない。本質的に大事なモノは人との深い繋がりの中にある。

成功したい気持ちが強い人は、他人からよく見られたい認められたいという気持ちが強くなる可能性がある。それは、ブランド品などの金額にしか価値を感じない表面的な消費行動を引き起こす。しかし、それでは承認欲求は満たされず、いつかは身を滅ぼす危険性がある。

これを脱するためには、名誉や名声では変えられない本質的で根源的なモノに気が付く必要がある。それは、一人の人生の中にはなく、人との深い繋がりの中に見出すことができる。

教訓2

天引き貯金から初めて"貯金の門"をくぐろう

貯金できないという人は、まず月収の10分の1を天引き貯金から始めよう。今なら天引きして積み立てNISAに無心で投げ続けるのがいいかもしれない。10分の1が余裕になれば、割合を徐々に増やそう。

1年間もすれば月収以上の貯金と貯金できたという成功体験が手に入る。まずは小さく成功を積むことが重要。これによって支出をコントロールする術が身に付く。

支出をコントロールして雪だるまの芯ができたら、副業をして収入を増やして雪だるまの初速を上げる。

そうして、まとまったお金ができたら、焦らず堅実な投資をする。

これが庶民がゼロからお金を作る基本形だ。

教訓3

易々と生活レベルを上げない

人間の欲求には果てがない。合理的な理由がなく、憧れや欲求に突き動かされて、生活レベルを上げるのは自分の首を苦しめるだけだ。

どこで満足できるか。早くに満足できれば、手元に残るお金は多い。収入が増えても満足できなければ、手元に残るお金はわずかだろう。

今後の見通し

リバランス

これまで積立NISAよりも401kの拠出額が多かったせいで、資産に対して流動性が低い年金が占める割合が高くなっていることは、リスクが高いと思っているので、流動性を意識して資産の割合を調整しようと思う。

次の目標資産

1000万に達した半分の期間で目指せ2000万!