『他者と働く』という本を読んだので、読んだ感想を残しておく。
読もうと思った理由
会社のSlackでこの本が勧められているのをチラッと見て、紹介されてるくらいなら読んでみるかーと思って、軽い気持ちでAmazonで購入したのがキッカケ。
どんな内容か
この本の中では、組織における課題にフォーカスした内容になっている。
そして、組織が抱える問題を「技術的問題」「適応課題」の2種類に分類していて、この本では、「適応課題」にフォーカスしている。
技術的問題は、既存の知識や方法(「話す技術」「聞く技術」「伝える技術」「交渉術」「リーダーシップ論」「組織論」など)で解決できる問題だとしている。
例えば、
- 職場で各々が持っているデータを共有しなくてはならないという場合、クラウド上にデータを保存するサービスがあることを知っていれば解決できる。
一方で、適応課題は、その組織ならではの複雑な課題のことである。
例えば、
- 他部署に協力を求めても協力をしてくれない時
- 会議で提案したところ「それはこういうリスクがある」と反対を受ける時
こういった適応課題は、人間の関係性の中で生じる問題であるとしている。要するに、「互いに分かり合えていないこと」が適応課題の原因である、と。
それを解決するためには、「互いに見ている世界や取り巻く環境が違っていることを認めて関係性の再構築が必要である」としていて、それが「対話」である、と。
例えば、相手がなかなか動いてくれない時などに出会ったら、対話は以下の手順を踏むと良いとのこと。
- 準備・・・自分の専門性や職業倫理などの枠組みで問題や相手を見てしまっていることに気づく
- 観察・・・相手や相手の周囲を観察し、相手がどんな環境、職業倫理の枠組みの中で生きているかを知る
- 解釈・・・相手の文脈の中に入ったと仮定して、相手がどんな状況で仕事をしているか、自分が言っていることがどんな風に見えているかを想像する。その上で相手にとって意味のあるものとして受け入れられるためにどうすれば良いかを考える。
- 介入・・・ここぞというタイミングを狙って行動する
これが適応課題を解決する、相手との新しい関係性を構築するための「対話」である。
感想
基本的に読んでいて目新しさはなかった。冒頭の課題定義の部分も、対話の話も、元々概念として自分の中にあったものが言語化されて、ハッとしたという感じだった。
言われていることは当たり前なことだなと思ったが、改めて言語化されたことで、意識的に取り組むことができるようになるかもしれない。